環境大臣の丸川珠代が「『反放射能派』と言うと変ですが、どれだけ下げても心配だと言う人は世の中にいる。そういう人たちが騒いだ中で、何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた」という自らの発言を撤回した。

・丸川環境相 被ばく線量発言を撤回 被災者におわび(毎日新聞)

なにしろ年間被ばく量1ミリシーベルトというのは国際基準なのであるから撤回するのは当然だが、しかして反省しているフシはない。
というのも、丸川としてはレクチャーされたことを言ったに過ぎないのであって、要するにそう言わせた(あるいは刷り込んだ)ヤツらがいるということだ。

当初、丸川は自らの発言を撤回しないと言っていた
なぜそれだけ強気でいられたかというと、周りが「評価」していたからだろう。その周りとは誰かといえば、取り巻きの官僚であり、その先にいる原子力ムラの面々だ。
つまり、この発言は原子力ムラ全体の見解なのであり、それはまた現政権の意思でもある。

一般の人びとの年間許容被ばく量は1ミリシーベルトまでというのは法律で定められている。ところがこれを守ろうとすると大変なコストがかかってしまう。そこで政府は3.11直後に原子力緊急事態宣言を発令し、この法律を棚上げし、それは今日に至るも継続している(ここに野田政権と安倍政権の同質性を見ることができる)。
しかし、この状態を続けるわけにはいかないので(このままいくと2020年の東京五輪は、原子力緊急事態宣言発令中の国家で開催することにもなる)、原子力ムラとしてはどうしてもこの1ミリシーベルト目標自体を変更したい(この際、住民の健康など知ったことではない)。

そのための観測気球の一つが今回の丸川発言で、これからも手を変え品を変え、この手の「失言」はいくらでも出てくるだろう。そうしてこの問題を少しずつ浸透させようというのが原子力ムラの意図で、その過程で問題になるのではあれば発言者の「個人の資質」にすり替えて当人が謝罪する、あるいは辞めればいいだけの話。代わりはいくらでもゴロゴロ転がっている。
今回の丸川珠代の立ち位置は、所詮、そんな程度のものである。

※参考リンク
●みんな楽しくHappy♡がいい♪
「<福島原発事故>今も緊急事態宣言は解除されていない〜「もし、私が安倍さんであれば、まず真っ先にやることは子供たちを汚染地帯から避難させるということです」小出裕章氏4/25日本外国特派員協会(全部文字起こし)」